第7章 9月 体育祭
「そないなことゆうてあんたも今日隣のクラスの水瀬と交換するつもりやろ。」
「アホ。それとこれとは別やろ。」
話に盛り上がっているといつの間にか次の番になっていて慌ててレーンに入った。
半周を走りきり次の人にバトンを渡し残りは応援に徹した。
ウチのクラスは8組中2位という好成績を残した。ちなみに1位は白石くん、謙也くん率いる2組だった。
学級対抗リレーが終わり昼食になった。友達とお弁当を食べてからハチマキを返すため財前くんを探しに出た。
裏庭に来たとき木にもたれて携帯を弄っている財前くんを見つけた。
「財前くん。」
「真希先輩どないしました?」
「ハチマキ間違えてる。」
「あ~。気付きはったんですね。わざとっすわ、それ」
わざと?なんで?よくわからずに財前くんの話を聞いていた。
「恋の神様の話しっとります?」
「おん。・・・!!」
『ハチマキを交換した相手と両思いになる』
「そういうことですわ。俺、真希先輩のこと好きなんっすわ。付きおうてくれませんか?」
自分でも顔が赤くなっていくのが分かった。財前くんがウチのことを好き?ウチは・・
(ああ小春ちゃんが言うてたんはこういうことか・・)
今しっかりと自分のなかで答えがでた。
「おん。ウチでよければ、付きおうたってください。」
今度は財前くんが赤くなる番だった。慌てて手で顔を隠した。
「ホンマっすか?うわっ、ちょっとこっち見んといてください。めっちゃ顔赤い・・・うれしいっすわ。」
財前くんが消えそうな声でそう呟いたとき、午後の部開始の放送が流れた。
「ほな先輩。これからよろしくっすわ。部対抗リレーあるんで行きますわ。」
そう言うと財前くんは校庭に戻った。午後の部はあっという間にすぎ、閉会式まで終わった。
「真希。ハチマキ返したん?」
学級リレーのときの友達に呼び止められてハチマキを見られてしまった。
「返してないゆうことは・・交換したんやな?」
「自分やって水瀬くんと交換したんやろ!!」
「当たり前や!!ふーん2-7ね。誰やろな?」
「それはやったらあかんやつやで!!」
このあと財前くんの名前を出すまで問い詰められたのは言うまでもない。