第6章 7月 大会
決勝当日。
「決勝は青学と立海か・・・。」
準決勝で負けた四天宝寺だったが決勝を見に試合会場へみんなで来ていた。
最初は手塚と真田の試合。
「始めっからこの二人か・・・。」
試合は始まったばかりのようで真田くんの風林火山と手塚ゾーンがぶつかり合っていた。
しかし真田くんは雷で足に負担を掛けすぎ、手塚くんも腕に負担を掛けすぎどちらも限界だった。
「なぁ、こしまえおらんのやけど・・・。」
金ちゃんが青学ベンチを見てポツリと呟いた。
「トイレちゃうん?」
「いや、試合が始まった時から居らんかったで。」
謙也くんが返すが、白石くんも気になっていたようで、しっかりチェックをしていた。
「ウチちょっと聞いてこよか?」
「真希、ワイも行く。」
二人で青学の応援席へ行き、近くにいた不二くんに声をかけた。
「なぁなぁこしまえおらんの?」
「桃城くんもいないみたいやけど、どうかしたんですか?」
「あぁ、君たちは四天宝寺の・・・ちょっと大変なんだけど・・・。」
「「!!!なんやて!」」
「どないやった?」
不二くんが言うにはこうだ。
決勝前になって越前くんは記憶を失ってしまって、テニスを忘れてしまった。今記憶を取り戻すために桃城くんや他校の選手たちが協力してくれている・・・そうだ。
いつのまにか試合が終わっていた。真田くんが勝ったみたいだ。
次はD2乾・海堂ペア、柳・切原ペアの試合だ。
切原くんが赤くなり乾くんがボロボロにされてしまった。
結局青学の棄権により柳・切原ペアが勝利した。
3試合目は不二くんと仁王くんの試合。不二くんが点数を取り4-0まで試合がすすんだ。
そのあと仁王くんからオーラが出始め手塚くんの姿が見えたと思ったら重なった。
「なんでコートに手塚が!?」
みんなは青学ベンチにいる手塚くんを一斉に見る。そこに手塚くんはしっかりといた。しかしコートにいるのも手塚くん。
「まさにイリュージョン・・・。」
そのあと白石くんにも変わりさらにウチらを驚かせた。
「金ちゃん、死にたいん?」
「ど、毒手いややぁ!!」
「ちょっ!?金ちゃん。俺やないから・・・。」
金ちゃんが思わず逃げ出すクオリティ。イリュージョン恐るべし。
しかし不二くんはこれを乗り越え、仁王くんに勝利した。