第6章 7月 大会
二人のお笑いテニスに対抗してか青学の二人も覆面を被りテニスを始めた。ユウジくんのモノマネで相手を騙すこともやったが・・・。
ラブルスはこの覆面によって相手の策に嵌まって負けてしまった。
「相棒のマネなら」
「俺たちのほうが上手だぜ」
「フッ、悔しいけど負けや。試合も笑いもな。」
最後はどちらともなくにこやかに握手を交わしあった。
「ってなに爽やかに終わっとんねん!!」
白石くんの無駄のないツッコミも決まった。
「銀!!頼んだで。」
「ああ。」
次は銀さんの試合だ。
「銀さんがんばってな。」
銀さんは少し微笑むとポンポンとウチの頭を叩いてコートに入った。
(心配いらんっちゅーことやろか・・・。)
叩かれた頭を触りながらベンチに裏側に立つ。
S2青学・河村、四天宝寺・石田
「パワー対決か。」
河村くんがダッシュ破動球を打つがもともと銀さんの技なので全く効果をなさない。
「ワシの破動球は百八式まである!!」
銀さんの破動球の数を聞いて動揺する青学メンバー。
「・・・暇なんだね。百八も考えるなんて」
そのなかで一年生の越前くんは
余裕の表情でそう答えた。
「言うねぇ、あのボウヤ。」
それを聞いて監督が悔しそうに顔をしかめた。
河村くんは銀さんの破動球で客席まで吹っ飛ばされてもうボロボロだった。青学メンバーが河村くんを止めるなか、河村くんは止めるなと言う。
「パワーが銀より劣ってたっちゅーだけの話や。」
謙也くんに続いて、財前くんも
「所詮、青学のお荷物ですよね。河村って。」
「財前くん!!言い過ぎや!!」
気ぃついたら大きな声が出てた。メンバーが驚いてこっちを見る。青学側まで聞こえていて驚いている様子だった。
白石くんが財前くんを見据え静かに言った。
「財前。言葉には気いつけなさい。」「はいはい。」
「俺にはパワーしかないんだ!!グレイトー!!!」
しかし銀さんにまたもすんなり返されてしまう。
みなが同じことを思いコートに注目した。
「なんや、めっちゃ格好ええやん。銀も、アイツも」
金ちゃんが拍手をすると、まわりからの拍手も徐々にに大きくなっていった。
「これが俺にとっての最後のテニス・・あいつから1ポイントを!!」
河村くんが最後の一球を打つがその途中バランスを崩した。