第3章 5月 合宿
いざ練習が始まるとさっきまでの気まずさもなくみんないつもの調子で練習をしていた。
「なんやウチの勘違いやったんかな・・・。」
「何がですか?」
「うわぁ!?ざざ・・財前くん」
「ははっ。なんやまた心の声ですか」
みんなの方を向いていたのに,気付いたら近くに財前くんが来ていたようだ。
最近財前くんとよく絡む気がする。まあいい絡みとは言えないけど・・・
最近知ったこと。財前くんは意地悪。
「なんですか真希先輩。」
「なんでもないもん。はい」
また意地悪そうな顔して・・・ここに来た本当の理由であろうドリンクを差し出した。
(あれ?今名前で・・・)
「よくわかりましたね。俺がドリンク取りに来たこと。」
「え?ああ、タオル首にかけとるから。」
「なぁなぁ。イチャイチャしとるとこ悪いんだけどウチらにもドリンク貰える?」
いつの間にか財前くんの背後に小春ちゃんがいて・・・ん?イチャイチャ?
「そうですよ。先輩ら邪魔せんといて下さい。」
「また!!財前くん!」
「ホンマにイチャイチャしよったようにしか見えんわ。」
みんなは休憩を終わり練習を再開した。午前の練習が終わり、部屋の片付けをしてバスが来るのを待った。
「はぁ・・・疲れた。」
「慣れへんのによう頑張ったもんな。」
独りごとのつもりだったが白石くんが近くにいたようで返事をしてくれた。
「でもな,みんなが練習を頑張っとるところを見るのは楽しかったで。もっと私も頑張らなくちゃって思うた。」
「そうか。ありがとうな。」
「真希は頑張ってんで。」
「いつもありがとう。」
いつのまにか,側に金ちゃんと千歳くんがいてお礼を言ってくれた。こんな人たちだから支えたくなるのかな。
バスが来てみんな乗り込むと気づいたときにはみんな眠っていた。いろいろあったけど内容の濃い3日間の合宿はこうして終了した。