第6章 テロップ指さし確認(千石)
清純が人混みに消えると、近くのベンチに腰を降ろした。
10分たっても清純が帰ってこない。
またナンパでもしているのだろうか・・。
ふいに上を向くと目の前には大きな電光掲示板、そのなかに広告を流すテロップを発見した。
つい私も癖になって、広告を指差し確認する。
すると広告のなかに見慣れた名前が出てくる。
「あっ、私の名前?」
「けっ・こ・ん・し・て・く・だ・さ・い?き・よ・す・み・・・・!!!」
「びっくりした?」
肩を叩かれて振り向くとそこには清純がいた。
「・・・・・・。」
「あれ・・まき、泣いてるの?」
「バカ!!私、浮気ばっかりで不安だったんだから!!」
「不安にさせてごめんね。それで・・返事は?」
「決まってるでしょ・・・。結婚する!!」
私は清純の胸に飛び込んだ。清純は私を危なげもなく受け止めて強く抱き締めた。
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パチパチパチパチ!!!
「ヒューヒュー!!」
ピィーピィー!!
いつの間にか集まったギャラリーから拍手が挙がり、一時の間みんなの祝福を受けることになった。
((は・・・恥ずかしい!!!))
穴があったら入りたいくらい恥ずかしかったけど,昔のドラマみたいにロマンチックでちょっとだけうれしかった。
fin