第3章 思わぬ救出と出会い
俺の意外そうな問いかけに一瞬視線を逸らしてから照れくさそうに口を開く新一にイケメンというのはどんな表情でもサマになっていいよなとどうでもいい事を考え、そんな俺に結局どうするのかと言いたげな顔に来週は蘭達とプールに行く予定になっているのでその次ならと考え口を開く。
『新一がいいって言うなら一緒に行ってくれると嬉しい、かな。再来週辺りとかどうだ?』
「(他の奴と行かせてたまるかよ)再来週な。今の所予定はねーし、いいぜ」
『じゃ決まり!……ふぁ……』
「今日は色々あって疲れたろ。もう寝ようぜ」
予定も無事に決まると溢れる欠伸にそろそろ活動時間の限界を感じ、それを見た新一の言葉に素直に頷いてから部屋の電気を消して互いに布団の中へと入る。
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『…新一…今日は…ありがとな……心配……し、て……く……』
「??悠??…ってもう寝てるし」
布団に入って数秒で眠りについてしまった幼馴染に呆れるものの今日は色々あって疲れたのだから仕方ないかと思い布団から出て気持ちよさげに寝ている悠の寝顔を覗き込む。
「ったく人の気も知らねえで……(お前の事は何があっても絶対守ってやるって決めたのに)…こうも無茶されると心配で一人に出来ねえっての…」
スヤスヤと気持ちよさそうに寝息を立てている姿を眺めたまま独り言を呟き、無意識に伸びた手が柔らかな髪に触れると僅かに緩む頬を視界に入れ胸がドキリと高鳴るのを感じてしまいこれ以上は色々とマズイなと手をそっと放す。
「…俺は蘭じゃなくてお前が…悠が好きだ。…あの時からずっと、俺の心の中を占めてるのは悠だけなんだってことに…いい加減気づけよ…バカ……」
初めて悠と出会ったのは俺が悠と蘭や園子の通ってた保育園に入園したのがきっかけだった。
涙を浮かべている蘭の隣で色紙を使って桜を作ろうとしている彼を見て思わず声をかけちまって、そんな俺を最初は怪訝な表情で見てたっけ。しかも涙浮かべてた蘭に泣き虫って言った瞬間ものすごく睨まれたのも今でも鮮明に覚えてる。ほんとこの頃からシスコンだったよな。
でもこの出会いがあったからこそ今こうして一緒に居られる。
俺の初恋はあの瞬間から始まったんだ