【名探偵コナン】トリプルフェイスの幼馴染は最強?【BL】
第10章 キャンプへ強制参加!
その後状況を理解した零が呼んだ警察が到着して現場検証が始まり、その様子を横目に第一発見者でもある子供達の代わりに俺が分かる範囲で答えているとコナンが現場の周りをウロチョロしている姿が視界に入る。
『(おいおい、子供が見るもんじゃねえだろ…)』
小さいせいか周囲をうろついてても警察は気付きもしないのだからちゃんと仕事しろよと思うのも無理はない。しかも零は零でそれがさも当たり前というように接しているのだから俺の中の疑問が更に大きくなっていくのを感じた。
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事件発生から周囲が慌ただしくなっていくのが分かるのと同時に事件の真相が分かったと推理をし始める阿笠さん。そのあまりの的確な推理に暫く聞き入っていたのだが、どうにも違和感を感じてしまい皆が阿笠さんに注目している隙にその場をそっと離れて少し距離をとれば見えてくる小さな少年の姿。
『……なるほど、そういうことか…』
どういう仕組みなのかは分からないが何かの機械で阿笠さんの声を発し、それに合わせて口パクをしている阿笠さん。その一連の流れを見れば今まで抱いていた疑問が消えていくのを感じ、これからどうするかと少し試案してからとりあえずこの件は後にするかと心の中に留めて皆より先にテントのある場所へと戻る。
「……?あら、帰ってきたのね」
『もう解決してるからよ。…ところで、自己紹介してなかったよな。俺は…「蒼井悠、でしょ」…ご存知で』
「吉田さん達が何度も名前を呼んでるんだからそれぐらい分かるわ」
テントへ戻ると俺達が小川へ行ってからずっと読んでいた小説を読み続けている女の子の姿が見え、俺が戻ってきたことに気付いたようで一度視線が合うもすぐさま外されてしまう。
そんな彼女に特に気にすることなく今更な自己紹介をしたものの、まぁ当然というべきか自身の名を口にされ苦笑いを浮かべる。
「………灰原哀…」
『…え?』
「…だから私の名前。灰原哀よ」
『灰原哀ちゃん、ね。…なら哀ちゃんって呼んでも?』
「…別に。好きに呼んでくれていいわ」
ぶっきらぼうな言い方ではあるものの、それが彼女の平常運転なのだろうと特に気にすることもなく笑みを浮かべることにした。