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【名探偵コナン】トリプルフェイスの幼馴染は最強?【BL】

第2章 帰ってきた幼馴染


タクシーに乗ってからそれなりの時間が経ったようで、運転手からのもうすぐ目的地に到着しますとの言葉に閉じていた瞼をゆっくりと開く。
窓の外へ視線を向ければ懐かしく見知った風景に自然と頬が緩むのも仕方ないもので。

そろそろだな…


そう思っていると見えた建物の前に到着するタクシー。
料金を支払って降りると車内の快適さが嘘のような暑い外気に僅かに眉をひそめ、そんな自分へと手渡される大きなスーツケースを受け取り再びガラガラと音をたてて歩きなれた道を進むと誰かを待っているのか壁に背を預けるスーツ姿の男が視界に映り口端をゆるりと上げ。



『これはこれは、まさかお前が出迎えてくれるとは。よほど暇なのか?』




歩みを止めることなく進めれば次第にはっきりする男のシルエットにおどけたような軽い口調で語りかける彼に対してそんなわけないだろと眉を寄せながら視線で告げる褐色の肌に明るい髪の男、降谷零。公安きってのエリートで彼の幼馴染でもある



「それがわざわざ迎えに来てやったものに対する言葉か?少しは感謝してほしいもんだな」


『ははッ、悪い悪い。軽い冗談だ。…にしても…久しぶりだな、零。一ヶ月ぶりか?』


「一ヶ月と二週間、だ。ったく…あれほど無茶だけはするなと言っただろッ!お前が向こうで入院って聞いたときは……無事だとわかってても生きた心地がしなかった……」



軽い口調で告げた言葉に対する返答に久しぶりに会う幼馴染の変わらない姿に心の中で安堵しているとやたらと細かに訂正をいれてくる降谷にそうだったか?と首を傾げていたが、続く言葉と苦し気な表情にはさすがに申し訳なさを感じて目尻を下げ。



『……心配かけて悪かった。ほら、もう動き回れるぐらいに元気だしよ。だから……そんな顔すんな』



今にも泣きそうな彼の様子に手に持ったスーツケースをその場に一度置いて手を頭へと伸ばし、己とは違った柔らかい髪を優しく数回撫でれば漸く安心したのか辛そうな表情が消えていつも通り隙のない空気を出す様にホッと胸を撫でおろす。
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