【名探偵コナン】トリプルフェイスの幼馴染は最強?【BL】
第17章 悪夢の時間
今は亡き友人の顔が脳裏に浮かび、今でも時折昔の夢を見ては胸が苦しくてたまらなくなってしまう。そんな俺の心内など誰も知る由もなく、準備を終えた秀一が持ってきていた工具を零に渡して先程居た場所へと少しでも時間をかせぐために行ってしまい、更には新一までもがノックリストを守らなければと走っていくのをやれやれと見つめる。
「…ったく、どいつもこいつも…」
『ま、あいつ等なら大丈夫だろ。…それより爆弾の解除だ』
「ああ、分かってる。…悠…その、さっきは悪かった…」
『…お前が赤井に対して抱いている感情は理解してるつもりだ。赤井を憎むことでアイツが戻ってくるならいくらでも憎むさ。…だが、死んだ奴はもう戻ってはこねえ…。憎しみは憎しみしか生まない。お前も分かってんだろ?』
ふいに先程の秀一とのやり取りに関して謝罪してくる零、これ以上憎しみに囚われる零を見たくないのだと訴える俺を一度だけ困ったような表情で見てくる零にそれ以上は何も言えなくなった。
「…次は確かコレを…っと!危ないッ。…コイツが光ったらアウトだ…。焦りこそ最大のトラップだったな…松田…」
『…(零)…っ!?クソッ!零!俺も向こうに行く!此処は任せたぞ!「悠ッ!」…お前ならやれる。信じてるぜ、相棒ッ』
「っ!!…ああっ、任せろ!…悠…死ぬなよ…」
『…フッ、お前もな!』
解除している様子を見ていたが突然の暗転に組織の連中の仕業だろうことに表情歪め、すぐさま行動に移そうとする俺に顔は見えないが心配した声色で告げてくる零に穏やかな口調で返してからその場を後にした。