第3章 むかし
「はな…してっ…」
おれの手をどかそうとするが、男の握力には勝てない。
恐怖からか目が潤み姿勢的に上目遣いになってしまう。
「そんな目して…煽ってるようにしかみえねェよ…」
グッ…と体が強張るのがわかる。
「そんなこと…‼」
「いっとくが…おれは誰ふり構わずこんな事してるわけじゃねェ。…お前に興味があるからだ。」
「それと、この体勢…なんの関係があるの…っ?」
こいつは馬鹿なのか?
それか、経験が少ないって事か…。
ゴツンッ
「ッッ…‼」
少し考えていたら額に衝撃が走った。
ジンジンと鈍い痛みが広がる。
「お前っ…頭突きする事ないだろ…」
「し、知らないわよっ‼トラファルガーがそういう事するからっ‼」
「…ちょっとした冗談だ。」
まぁ、冗談のつもりはなかったが…。
あいつは、慌てて浴室へと戻って行った。