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緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第37章 これだから恋愛初心者は





「分かってると思うけど、花子っち。“ジャージ”はダメっスよ。」


『“ほら、やっぱりバカにしてるじゃん。”』



あれは中2の頃の話だ。
同じクラスで隣の席だった花子っちを良いなぁと思うのにそう時間はかからなかった。


バスケが大好きで明るく元気な花子っちは、他の女子とは違い、オレに対してちっとも興味を持ってくれなかった。


それがとこか新鮮で、最初こそ遊び半分で振り向かせようとしていたが、いつしかそれは本気の恋へと姿を変えた。


そうしてやっとの思いで取り付けた“デート”は同じクラスだった黒子っちと桃っちと一緒に池袋へ。


これは余談だが、花子っちを連れ出すのに赤司っちと緑間っちを説得するのがとても大変だった。


そんなこんなで待ち合わせ場所で花子っちを待っていると、彼女はTシャツにショートパンツというまさに“ジャージ”のようなラフな格好で現れたのだ。




『“それにあのときは“デート”じゃなかったでしょ?”』


「・・・そうっスね。」



過去の話と言えど、想いを寄せていたコに何とも想われていなかったとなると少し傷つくが、そもそも初めから誰も緑間っちに勝てる人なんて存在しないのだろう。


それが例え赤司っちでも・・・・・。


そしてオレは渋々コーディネートを考える。
もしオレが花子っちの彼氏だったら、花子っちの綺麗な足を見ていたいからミニスカを履いて欲しい。

が、相手は嫉妬深い緑間っち。そうなってくるとやはりミニスカはNGだ。



「ミニのスカートは絶対ダメね。でもスカートが良いと思う。膝上くらいの。」


『“うんうん。”』


「モデルで仕事したときにデート特集やったんだけど、家に雑誌あるから帰ったら写真撮ってメールするっス!すいません、練習なんでまた。」



話している途中後ろから、笠松センパイに早くしろと注意され、急いで電話をきる。


全く、どいつもこいつも、困るんだよなぁ。



「これだから恋愛初心者は。」


思わず笑ってしまったと同時に出た言葉たちは、ダムダムというボールの音にかき消された。


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