第25章 情けない
『あっという間に終わっちゃったね、合宿。』
「あぁ、そうだな。」
午後2時。
東京に帰ってきてそうそうオレの家にやってきて、やっぱりベットはいいなーなんて花子はオレのベットに寝転びながらおそ松ちゃんを読む。
・・・いやいやいや、いろいろおかしいだろう。
仮にもこの合宿中オレたちは晴れてただの幼なじみを卒業して、恋人になったんだよな?そしてキスだってしたよな?しかもディープなやつ。
それなのに、なぜオマエは2人きりのこの密室という空間で普通にベットで横になれるんだ?
・・・・・分からない。
花子の考えていることが全く分からない。
「オイ、オマエ、」
『なーにー?』
漫画から視線をずらすことのない空返事。
少しイラついたが、それと同時にあることが頭を過ぎる。
今この状況、最高のシチュエーションなのではなかろうか、と。
そうだ、オレたちは付き合っているわけで、花子の許可さえとれば、あんなことやこんなことだってしてもいい関係であるのだ。
となれば、早速行動あるのみだ。
オレはまず花子の寝そべるベットに腰を下ろした。