第21章 色気の欠片もないのだよ
『熱は無さそうだね。』
真ちゃんのおでこに触れていた右手を離そうとしたとき、その手を真ちゃんが掴む。触れられている部分が少し熱帯びる。
『どうしたの?』
今日の真ちゃんは、なんだか変だ。
いつも変だが今日は心ここに在らず感がすごい。
じっと見つめられ恥ずかしくて恥ずかしくて目を逸らしたいのに、そう出来ないほど真っ直ぐな真ちゃんの目が私を捉える。
『・・・真ちゃん?』
「花子、あのさ。」
『うん?』
「オレ・・・、オマエが好き・・・なのだよ」
『・・・・・。』
「・・・だから、その、・・・あれだ。」
『・・・・・。』
「・・・付き合わないか?オレたち・・・」
『・・・・・。』
「・・・・・。」
『・・・・・よ、・・・かっ、』
「え?」