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キミのとなりで ずっと【気象系BL】

第20章 卒業式



「大好きだよ、翔ちゃん」

信じてくれないなら、信じてもらえるまで伝えるだけだ。

「俺の気持ちは変わらないよ、翔ちゃんが好き」

でもどんなに言葉を重ねても、翔ちゃんの手は迷うように宙を彷徨うばかりで。

なんで抱きしめてくれないの?
もしかして、このまま俺から離れていくつもり?

だんだん不安になってきて、涙がじわりと滲んだ。

「翔ちゃんが信じてくれなくても、俺は翔ちゃんのこと大好きだもん…」

涙を隠すようにもっと強く翔ちゃんにしがみつく。

俺からは絶対離れないんだから!って心の中で強がってみるけど、震える声は隠せなくて。

「カズ…?」

翔ちゃんは怪訝そうに俺の顔を覗き込むとサッと顔色を変えた。

「ごめん!ごめん、カズ!泣かないで!」

焦った翔ちゃんにものすごい力で抱きしめられて、痛くて苦しいけどホッとして。

安心したらますます涙が出てきた。

「うぅ…翔ちゃんのばか…」
「ごめん、ごめんね」

泣きながら悪態をつく俺に翔ちゃんは平謝りで。

「ぎゅってしてくれないから俺と別れる気なのかと思ったぁ…」
「そんな訳ない!こんなにカズのことが好きなのに!」

俺の不安も間髪入れずに一蹴してくれて。

「でも…じゃあ、なんで俺のこと信じてくれないの?」
「本当にごめん…カズを信じてないわけじゃないんだ…ただ自分に自信がなくなっただけで…」

それなのにまだごにょごにょ言うから、泣くのも忘れて苦笑してしまった。

こんなに好きだって言ってるのにまだ足りないの?

でもいいよ。
そんな翔ちゃんも好きだもん。

自信がないなら、俺が自信をつけてあげる。

翔ちゃんが “もういいよ!” って耳を塞ぎたくなるくらい、俺の気持ちを伝えるよ。

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