第20章 卒業式
「……みんな大丈夫だったかな?」
ふと、校庭で俺たちを逃がしてくれた生徒会の後輩たちが心配になった。
なんか3人とも異様に強かったけど、それでもあの人数であの騒ぎで。
ケガとかしなかったかな…
今さら不安になったって遅いんだけど、あの後は全然会えなかったからソワソワしてしまう。
でもそんな俺の心配ごとは、翔ちゃんがとっくに確認してくれてた。
「大丈夫だよ、何も心配いらないって言ってたから」
「え…?」
翔ちゃんが安心させるように優しく頭を撫でてくれる。
「あいつらも、投げ飛ばされてたやつらも。誰も怪我はしてないって。だから安心して?」
翔ちゃんは、さっき上田たちにも連絡してたみたいで。
俺が心配しそうなことを先回りして聞いておいてくれたらしい。
それを聞いて安心して、ホッと息を吐いた。
あんなことしたやつらなんて、ケガしたって自業自得なのかもしれないけど。
それでも、出来れば誰にもケガなんてしてほしくないし、させてほしくもないって思っちゃう。
ましてや、それが俺たちのせいで…なんてイヤだから。
「…よかった」
心の底から安堵する俺を見て、翔ちゃんもにっこり笑った。