第4章 生徒会
翔ちゃんに抱きしめてもらってるのは嬉しい。
でもいつまでここにいるんだろ?
どうしたって裏庭は好きじゃないから、もう帰りたいんだけどな…
翔ちゃんの腕の中でぼんやりそんなことを考えていたら、ずっと黙って見守っていた会長がこちらに近付いてきた。
まだ翔ちゃんに何か話があるのかな?
「初めまして、二宮くん。岡田です」
「………へ?」
完全に油断してたから、いきなり名前を呼ばれてマヌケな声が出た。
俺なの?
一体俺になんの用があるのか分かんないけど、先輩だから一応ちゃんとしなきゃかなと思って。
翔ちゃんの腕から抜け出て、正面から向き合ってみる。
男前なその顔は全然初めましてな感じがしない。
だって毎日翔ちゃんに会いに来てるのを見てたから。
でも面と向かって話すのはこれが初めてなんだよね。
「えと…はじめまして…二宮です…」
小さくぺこりとしたら
「こいつらが暴走したみたいで申し訳なかった」
「やめてください!…あの…全然、だいじょぶですから…」
先輩に頭を下げられて慌ててしまう。
「「すいませんでした!」」
「もういいってば…」
先輩に倣ってマスダとウエダもまた頭を下げるから、さっきと同じになりそうで困ってしまう。
わざわざ謝るために声掛けてくれたのかな…
こんなに謝ってもらうほどのこと、されてないんだけどな。