第4章 生徒会
本当に何も分からないけど、こんなの困るっていうのはハッキリしてる。
「やめてっ…」
とにかく頭を上げてもらわなきゃと声を上げたら
「カズっ!!」
突然血相を変えた翔ちゃんが駆け込んできた。
「えっ?翔ちゃん?」
「櫻井先輩っ!?」
「アニキっ!?」
俺も驚いたけど、後輩くんたちはもっと驚いて顔を上げた。
翔ちゃんは翔ちゃんで目を丸くして俺たちを見てる。
そりゃ驚くよね…
当事者である俺にも意味が分かんないんだもん。
翔ちゃんはもっと分かんないよね。
しかも、これ…
傍から見たらすごい光景なんじゃないかな。
でも、なんでタイミング良く翔ちゃんが現れたのかは分かんないけど、きっとこれで状況が変わるはず!
…と、思いきや。
「お願いします!二宮先輩!」
マスダもウエダもまるで翔ちゃんなんて見なかったかのように、再び俺に向かって頭を下げた。
ええっ!?なんで?
もうやめようよ!
「ねぇ、やめてってば…顔を上げてよ…」
何を言っても頑なに動いてくれないから困ってしまって。
「翔ちゃん、助けて…」
翔ちゃんに助けを求めたら、翔ちゃんはすぐに駆け寄ってきて抱きしめてくれた。
優しく頭を撫でられて、とりあえず安心する。
何にも解決はしてないけど。
「翔っ、ニノは?……は?何これ?」
「………何やってんだ、お前たち?」
まだよく状況を把握出来てないのに、今度は潤くんと会長と、さっき潤くんを呼びに来た後輩くんまで現れて。
あ、いつの間にか智もいる…
もう何に驚いたらいいのかも分からなかった。