第4章 生徒会
そんなやり取りをしたばかりだったから、あまりのタイミングの良さに驚いたんだ。
「岡田先輩…もしかしてこれ、先輩の指示ですか?」
「いや…」
もしかして裏で示し合わせていたんじゃないかとつい疑ってしまったけれど、先輩も驚いてるみたいだった。
「さっき話したことは俺個人の考えで、こいつらにもまだ話してなかった。だから偶然タイミングが被ったことに驚いてるけど…まぁ、お前に戻ってきてほしい人間の考えることはみんな同じだってことだな」
話しながら、先輩は妙に関心したようにうんうんと頷く。
それを聞いた増田と上田も驚いたように目を丸くした。
「会長も同じこと考えてたんですか?」
「ああ。全く同じ話を櫻井にしてきたところだ」
先輩は意味ありげに俺たちをちらりと見る。
「こんな話、櫻井を通さないでいきなり二宮くんにしたら櫻井の怒りを買うと思ってな」
「そんなこと……」
ない…とは言えないか。
俺を通さずいきなりカズに接触されたら、相手が岡田先輩でも腹は立ったと思う。
先輩の言葉を否定しない俺に、増田たちが怯えた目を向けた。
「うぅ…やっぱり怒ってますか?」
「怒るに決まってんだろうが!人の居ない隙にカズを呼び出しやがって!」
恐る恐る確認してくるから遠慮なく怒りをぶつけると、2人ともビクッと身を竦ませた。