第4章 生徒会
増田も上田も必死にそんな事はしていないと訴えてくるが、一度芽生えた疑惑は簡単に消えなくて。
2人の言うことを信じきれずにいたら、腕の中のカズがクイクイと袖を引っ張った。
「カズ?」
「翔ちゃん違うよ。この子たち脅すとかそんなことしてないよ。だからそんなこわい顔しないで?」
泣きそうになってる増田たちを庇うように、カズまで一生懸命訴えてくる。
カズがこんな嘘つくわけないよな…
もし本当に脅迫されたなら庇うわけないし…
カズの言葉にちょっと冷静になる。
確かにこいつら土下座してたもんな…
脅迫する相手にそんなことしないか…
「翔くん、本当だよ」
ずっと見てたはずの智くんにまでダメ押しされて。
ちょっと考えれば分かることなのに、カズが絡むとすぐ頭に血が上ってしまうことを改めて自覚して苦笑してしまう。
カズにこわいと言われてしまったし、反省してもう少し気を付けないとな…
「疑って悪かった。話を続けてくれ」
素直に謝ると、増田も上田もカズもホッと安心した顔をした。
おずおずと再び増田が口を開く。
「あの…櫻井先輩が生徒会に入らないのは、生徒会の仕事がイヤになったからじゃなくて、二宮先輩と一緒にいる時間が減ることがイヤだからだって聞いて…」
全くもってその通りなんだけど、改めて他人の口から聞くと自分の言い分がすごいワガママに思えて少し恥ずかしくなる。
だからと言って考えは変わらないけど。