第4章 生徒会
目の前では増田と上田がカズに向かって土下座をしていて。
俺の登場に驚いてしばらく固まっていたが、とりあえず俺を居ないものとすることにしたのか、またカズに向かって頭を下げた。
「お願いします!二宮先輩!」
「ねぇ、やめてってば…顔を上げてよ…」
カズは何とか顔を上げさせようと必死だ。
少し離れた所には、やっぱり困り顔でカズたちのやり取りを見ている智くんがいる。
これは一体どんな状況なんだ?
何が何だかさっぱり分からない。
「翔ちゃん、助けて…」
何を言っても顔を上げない2人にカズは困りきっていて。
涙目で助けを求めてくるから、とりあえず駆け寄ってカズを抱きしめた。
安心させるように頭を撫でると、腕の中でカズがホッと息を吐いた。
「翔っ、ニノは?……は?何これ?」
「………何やってんだ、お前たち?」
そこへ少し遅れて潤たちがやってきて。
やっぱり戸惑いの目を増田たちに向ける。
とにかく状況を把握するためにもこいつらに話を聞かなければ…
「増田!上田!」
強めに名前を呼ぶと2人してビクリと体を震わせた。
「とりあえず立て!」
「「はいっ!!」」
弾かれたように立ち上がって気をつけの姿勢をとる。
でも俺だけじゃなく岡田先輩に潤に亀梨まで現れて、全員の視線が突き刺さっているものだから、所在なさげに視線を泳がせた。