第4章 生徒会
-Sside-
カズが呼び出された?
増田と上田に?
一体何の用があって?
全力疾走しながら、頭の中では疑問が渦巻いて考えれば考えるほど胸がザワザワする。
裏庭にトラウマのあるカズ。
まさか1人でついて行ってないだろうな?
智くんは一緒にいるんだろうか?
今この時もカズが1人で怖い思いをしているんじゃないかと、想像するだけで胃がキリキリする。
増田と上田は可愛がってる後輩ではあるけれど、そんなの関係ない。
あいつらがどういうつもりでカズを呼び出したのか知らないけど、もし泣かせていたら絶対に許さない。
ゴミ置き場を通り抜け裏庭にたどり着いたけれど、パッと見た限りカズたちの姿は見えない。
まぁ、死角が多いからこそ告白やら呼び出しやらの定番スポットになってるんだけど。
焦る気持ちを隠せず、とにかく闇雲に走っていたら
「やめてっ…」
ふいにカズの声が聞こえた。
泣きそうな響きのその声に血の気が引いていく。
あいつら俺のカズに何してやがる!
怒りに震える拳をきつく握りしめて
「カズっ!!」
夢中で声のした方へ向かって走った。
その勢いのまま、増田たちをぶん殴ってやろうと思っていたのに。
「えっ?翔ちゃん?」
「櫻井先輩っ!?」
「アニキっ!?」
目に飛び込んできた光景は俺の想像とあまりにも違っていて。
怒っていたことも忘れてポカンと立ち尽くしてしまった。