第4章 生徒会
走ってきた勢いのまま、ドンドンと生徒会室のドアをノックして。
「どうぞ」
返事とほぼ同時に部屋の中に飛び込んだ。
「すみませんっ、翔いますか?」
上がる息もそのままに声を掛けると、驚いて目を丸くした翔と岡田先輩が立ち上がった。
「松本?」
「潤?どうした?」
ゼェゼェと肩で息をする俺に、翔が心配そうに駆け寄ってくる。
「ごめん、今大丈夫か?話し合いは?」
「一段落したところだよ」
翔の代わりに先輩が答えてくれる。
「櫻井、さっきの話よく考えてみてくれ」
「………はい」
さっきの話が何か俺には分からないが、翔は複雑な顔をして頷いた。
「潤、何があった?」
再び俺を見る目は不安そうだ。
俺の様子から何か感じているんだろう。
「ニノが増田と上田に連れ出されたらしい」
「……は?」
簡潔に答えると一瞬で翔の顔色が変わった。
「どこに?」
「たぶん裏庭…今、智が…」
最後まで聞かずに翔が生徒会室を飛び出して行く。
「増田と上田が何かやらかしたのか?」
「いや、俺も詳しいことは分からないんです…」
生徒会メンバーの名前と翔のただならぬ様子に岡田先輩が心配そうに聞いてくるが、答えられるほど俺も知っているわけじゃない。
「突然すみませんでした。俺も翔を追います」
「俺も行く」
岡田先輩に頭を下げてから再び走り出したら、先輩も追い掛けてきた。
増田と上田が何をしたのか気になるんだろう。
入口で待っていたカメもまたついてきて、3人で裏庭へ走った。