第4章 生徒会
「なんか裏庭に向かってるっぽいんだよ。ニノも気づいたのか何となく顔色が悪くて……万が一の時のこと考えて翔くんを連れて来てもらえない?電話しても出ないんだ」
翔もスマホは持って行ったはずだけど、岡田先輩との話に集中していて着信に気付かないのかもしれない。
「分かった!翔捕まえてすぐ向かうわ!」
「お願い」
電話を切ってすぐに走り出す。
確か今日は生徒会室で話すと言っていたはずだ。
そこまで緊迫した状況ではないだろうと思いつつ、やっぱり気は焦る。
「松本先輩!すみませんでした!」
「お前は何をどこまで知ってるんだ?」
謝りながら追い掛けてくるカメを睨む。
「詳しいことは何も…上田から、少しの間だけ松本先輩を教室から連れ出してほしいって頼まれて…変なことはしないって言うから…本当にすみません」
増田と上田のことを知ってる俺がいたらニノを連れ出せないと考えたのか?
カメを使ってまで二ノを1人にしたいって、あいつらの目的はなんなんだ?
翔のことっていうのは時期的に生徒会についてだと思うけど、なんでそれを翔じゃなくてニノに?
ニノに翔を説得してもらおうっていうのか?
考えたって正解は分からない。
本人たちに聞くしかない。
とにかく急ごうと、翔の元へ向かう足を早めた。