第4章 生徒会
「ニノが連れて行かれたって…どういうことだよ?」
「潤が出てった後すぐ来たんだよ。翔くんのことで話があるって」
俺が居なくなったのを見計らったようなタイミングに引っかかるものがあって。
カメと上田は親しかったな…と思って見たら、カメは強ばった表情をしていた。
どうやらこいつも全くの無関係ではなさそうだ。
とりあえずは状況を確認することが先だと、カメを問い詰めるのは後にして、智の話に集中する。
「誰もいない所でニノだけに話をしたいって言い出してさ。そんなのダメだって言ったんだけど、ニノが“受けて立つ!”みたいになっちゃって…」
困りきってる声に、その状況が簡単に想像出来て智に同情する。
「マスダとウエダも“櫻井先輩の大切な人に変な真似は絶対しません。指1本触れませんから”って言って俺にも頭下げ続けてさ。嘘ついてるようには見えなかったけど…」
これまた簡単に想像がつく。
確かにあの2人が翔を怒らせるようなことをするとは思えない。
ニノに何か危害を加えることはないだろう。
まぁ、ニノ1人を呼び出してる時点で十分翔の怒りを買うとは思うけど…それは覚悟してんのか?
「でも、だからって大人しく待ってることも出来ないから、今3人の後をつけてる」
それでヒソヒソ声なのか。
きっといつかのように、まるで本物の忍者みたいに気配を消して3人を追っているんだろう。