第4章 生徒会
-Mside-
教室じゃ話せないと言うカメと来たのはカフェスペース。
ここにもそれなりに人がいて。
なんで教室がダメでここならいいのか、判断基準がイマイチ分からない。
しかも、てっきり悩み相談かなんかだと思ってたのに、カメの口から出るのは他愛もない話ばかり。
わざわざ教室から連れ出してするような話だとは思えない。
カメらしくない行動に、何となく感じる違和感。
「なぁ、カメ…」
話を遮ってカメの真意を探ろうとしたところで、ポケットのスマホが震えた。
校内でのスマホ使用は禁止だから、一応周りを気にして先生が居ないことを確認してからスマホを取り出す。
着信は智から。
電話してくるということは何かあったに違いない。
「もしもし、智?」
「潤…ごめん、今大丈夫?」
カメに断りを入れてから急いで出ると、まるで内緒話でもしてるかのようなやたら小さな智の声が聞こえてきた。
「大丈夫だけど…どうした?何があった?」
「ニノが連れてかれた。1年のマスダとウエダってやつらに」
「は?増田と上田?!」
突然出てきた意外な名前に驚いてつい大きな声が出てしまったら、カメがビクッと肩を震わせた。
増田と上田は数多くいる翔に憧れる後輩の中でも本当に熱烈に翔を慕っていて。
中学の時は翔を追い掛けて生徒会に入り、確か今も翔がいない高校生徒会で翔が戻ってくるのを待っていたはずだ。