第4章 生徒会
翔ちゃんの言葉にはやっぱり嘘がなくて。
俺に気を遣ってくれてるんじゃなくて、本当に自分の意思で決めたんだって信じられて。
最後まで残ってた胸のつかえも全部消えていった。
「あとね、カズが邪魔とかあるわけないから!カズが居なくなったら生きていけないって思ってるのに!カズを邪魔に思うなんて地球が逆回転したってありえないからね!」
安心して油断してたら、翔ちゃんに笑顔のままそんな力説をされて。
笑顔なのに目が真剣で。
冗談じゃないからねって目が訴えてて。
顔がかーっと熱くなる。
翔ちゃんが言ってることは、こないだ雅紀たちが言ってた通りのことで。
あの時は何言ってんだよって思ってたけど…
ほら見たことかって言われそうだから、これは内緒にしておこう。
照れくさいから、翔ちゃんにも“大袈裟だよ”って言おうとしたのに。
実際に口から出たのは違う言葉。
「俺だって…翔ちゃんが居なくなったら生きていけないから…ずっとずっとそばにいてね…///」
翔ちゃんの前だと天の邪鬼な俺は隠れちゃうみたい。
「カズっ…」
翔ちゃんは感激したみたいに目を輝かせて、苦しいくらいの力で俺のことをぎゅーっと抱き締めた。
自分で言ったくせに恥ずかしくなった俺は、翔ちゃんの胸に隠れるように顔を伏せたんだけど。
「絶対離れないよ…」
耳元で囁かれて、もうきっと耳まで真っ赤だと思う。
でもすごくすごく幸せで。
俺も翔ちゃんを力いっぱい抱き締め返して。
登校してきた潤くんのツッコミが入るまで、ずっとぎゅっとくっついてた。