第4章 生徒会
「生徒会、断りきれてなくてごめんね」
俺はまだ翔ちゃんの腕の中。
コツンとおでことおでこをくっつけて、翔ちゃんが眉毛を下げたちょっと情けない顔をする。
ふふ、可愛い♡
…なんて、自然に笑えちゃうくらい気持ちは回復したみたい。
「翔ちゃん、本当は生徒会入りたい?俺、翔ちゃんの邪魔してない?」
モヤモヤが消えたら、今まで聞けなかったことを口に出せるようになった。
我ながらゲンキンだと思うけど、はっきり翔ちゃんの想いを確認できたら気持ちに余裕ができて。
自虐的な気持ちからじゃなくて、純粋に翔ちゃんの本心を知りたいと思った。
今なら素直に背中を押せる気がするから。
質問に他意はないっていうのは翔ちゃんにも伝わったみたいで。
「本音を言うならね、俺を次期会長にって望んでくれるのは単純に嬉しいよ」
小さなため息を吐くと、少しだけ困ったような笑顔を浮かべながら思ってることを教えてくれた。
翔ちゃんの本音を聞いても心は凪いでいて。
何を聞いても大丈夫だって思えた。
でも続いた言葉は俺の予想とは違ってて。
「…だけどね、俺には生徒会よりカズと一緒に過ごす時間の方が何倍も…ううん、比べ物にならないくらい大切なんだ。だから本当に入りたいとは思ってないんだよ」
びっくりして何も言えない俺に翔ちゃんがにっこり微笑んだ。