【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第71章 夢の扉
「勝算はあるのかよ」
部屋を出ようとした私を呼び止めたのは剛士くんだった。
「勝算......?皆さんと山城さんが戦って、皆さんが勝てないはずがありません!」
「お前忘れてないか?山城はそもそも舞台俳優だぞ。舞台俳優で有名になって俳優をしてる。かなりの実力派だろ」
そういえば......。
「そうですね......いや、そうでしたね」
「やっぱり忘れてたのかよ......」
目の前の剛士くんは大袈裟にため息をついた。
「でも、負けません......剛士くんはダンスを練習してください。歌唱力は抜群なので!!」
「おい」
「いてっ!」
剛士くんはすぐに私を小突いてくるからな。
「私が皆さんの方が素敵だと思う......だから勝算はあります!」
「本当に能天気だよな。もし、山城が勝ったらキスシーンもあるんだろ?」
「そうでしたね......」
「でも、それを言うなら選ばれた人がなまえとキスシーンを演じれるんだよね。公認の場でそんなこと......きっと、これが最初で最後だね」
北門さんに言われて気付くけど、確かに選ばれた人とキスシーンを演じるんだよね。
緊張するだろうな。
でも、それ以上に。
「実は前に諦めた夢があると帝人さんに話したことがあって、私はミュージカル女優になるのが夢だったんです!」
「「ええっ!」」
「大切な舞台を皆さんの誰かと演じられたらって、今からワクワクそわそわしてます」
「トゥーンク!なまえさんの唇もかかっているわけですしね」
「そんな、大層なものじゃないです!」
「お願いも聞いてくれるって、僕楽しみだな〜♪」
近づいて来た愛染さんに手を握られた。
「え?」
「俺が選ばれたら結婚してよ」
けっこん......!
「なまえの聞けるお願いなら何でも聞いてくれるんだろ?それなら問題ないよね」
こんな素敵な彼は、一体何のメリットがあって私と結婚したいんだろう?
「うん!俺もそれがいい!!」
「暉くんまで!?」
ええ、どうしたの?
「俺も頑張ります!なまえさんは俺のことをかっこいいと言ってくれましたから」
「それは、弥勒くんはとってもかっこいいですけど......」
「なら俺が選ばれたら、俺と結婚してください」
「ええっ!」