第71章 夢の扉

「そうか......なまえは選ばれた人の花嫁さんになるんだね」

「北門さん？」

いや、そんな訳ないよね？


「なまえ、俺と結婚しよう」

「百くんまで......龍さ「いいんじゃないか？俺も賛成だ」


え......？
慌てて剛士くんの方を見る。


「野目の言う通りだな。俺たちは何の問題もねぇだろ」

みんな......どうしたの！？


「僕も賛成！僕ならなまえちゃんを一生守ってあげれるよ」

明謙くんまで？
いつもなら絶対に止めてくれるのに。


「僕も賛成です。なまえさんは可愛いですし」

「はいはーい！俺も！！なまえと居たら楽しそうだし」

普段なら止めてくれるような人まで、非現実的な提案に乗り気みたいだ。


「あの......竜持くん？」

「まさか、僕が反対すると思ってる？なまえをお嫁さんにするって言ったよね。本気で頑張るだけだよ」


ええーー！？


「皆、待って。みょうじさんの気持ちはどうなるの？」

聞こえてきた大好きな声は......どうして助けてくれたんだろう？

優しい彼のことだから、仕事仲間として心配してくれてるんだろうな。


「まっすーはなまえちゃんの気持ちが本当に大切だと思う？」

「当たり前だよ！結婚って、そんな簡単に......」

好きな人以外にも無自覚に優しい。
好きになられても気が付かないし、気持ちに応えられなくて落ち込んだり......心配。

でも彼からしたら、私に心配されても迷惑だと思う。


「今更なまえさんが誰と結婚しようが増長さんに関係ないですよね？」

今度は真面目な後輩、弥勒くんが増長さんに噛み付いた。
本当にどうなってるの......？


「本気でなまえの気持ちが大切だと思うなら、和南が選ばれるしかないね。それで、お願いを別のものにしてあげたら良い。なまえを守る方法はそれしかないよ。それが出来ないならなまえは俺達の中の誰かと結婚する」

「いや、もう......冗談ですよね？あはは、あはは......」

こんな冗談は笑えないよ。
全く笑えないよ。


「分かったよ......こんなのおかしい。それを俺が証明するよ！」

なに、これ......？

どうなるの！？