【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第22章 Sweet Temptation
お次は唯月くんのテーブルマジック!
皆すごいな......一芸のレベルが高い。
テーブルに並べられたトランプ。
その中から、つばさちゃんが一枚引いた。
カードはスペードのクイーンだ。
一番上にカードを戻して
『好きなだけ切っていい』って言われたけど......。
龍さん、暉くん、帝人さん。
思わずそちらに釘付けになる。
彼らはすごい気迫で、息切れするまでカードを切っていた......。
「良いですか?では......」
再びカード並べる唯月くん。
絵柄が今度は上向きに、見えるようになっているみたい。
「当たりのカードは、自分から僕の手に飛び込んでくるのですぐに分かるんです」
そんなにすごいことが起こるの?
彼の手はゆっくりカードの上を往復する。
「何かすごそうだね」
声をかけてくれた増長さんも同じ気持ちのようだ。
「はい!」
ドキドキしていると、唯月くんが顔を上げた。
「分かりました。つばささんが引いたのはーー」
ーピピッー
突然の機械音に肩が跳ねる。
ルーカス......この音やめてほしい。
「スペードノクイーン」
「えっ?」
どうして?
カードをルーカスが言い当てた。
彼の手の中にも、スペードのクイーンがあった。
「すごい!!」
唯月くんは3日も練習したみたい。
招かれる側なのに、頑張って練習してくれたんだな。
3日であれだけ出来るなんて......。
「唯月くん、すごいです!見習わないと!」
その手を握ると笑ってくれる。
「ありがとうございます。でも、なんの話ですか?」
「癒し系で器用!言うまでもないですが、可愛い!!」
なぜか、彼は吹き出した。
「ふふっ、なまえさんは癒し系だと思います......」
「いえ、私が癒し系なら皆さんのストレスは溜まらないです。いつも、からかってくるし......」
「ふふっ、やっぱり天然なんですね」
「唯月くんまで?ち、違います!」