【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第22章 Sweet Temptation
なんと、彼の膝に乗っていた。
「ご、ごめんなさい!」
慌てて立ち上がって上から退こうとするけど、
「ふふっ、そんなに焦らなくてもいいのに......」
お腹に腕を回される。
「お......おります。重いですから......んー!」
「全然重くないから、ずっと座ってていいよ」
力、強い......。
「俺も混ぜて!」
「きゃっ!」
正面から愛染さんに押し倒されて、増長さんの上に私、その上に愛染さん。
「何ですか、このサンドイッチ状態?」
「はあー、なまえ柔らかい」
胸に頬ずりされた。
「ひゃっ、くすぐったい......」
逃げ出すことも出来ずになされるがままだ。
「ははっ、なまえは本当に可愛いね」
「愛染さんも、虫怖いところ可愛いですよ!」
「そこは褒めてほしくないな......」
「そろそろ退こうか?」
増長さんの声はいつもと違う感じ。
重たいからかな......早く退けないと。
「本当に和南は、なまえの事になるとおっかないよね」
「えっ?」
「皆、あまあま〜!ケンケン、退いてねー?」
すっと手を掴まれると、グイッと立たせてくれた。
......可愛いのに力強いよね。
「悠太くん!ありがとうございます」
「ううん、僕も本気出さないとかな」
「何のことですか?」
「ナイショだよー ♪ 」
「わかりました!」
......出し物だな。
ーーピーンポーンッ
夕方になると、主役がやってきた。
「お邪魔しまーす!」
「今日はご招待頂きありがとうございます」
笑顔の遙日くんと唯月くん。
先日の一件で、私たちは随分と仲良くなった気がする。
「随分大きなおにぎりだね......」
増長さんの視線の先には、あの日と同じサイズのおにぎり。
「ふふっ、好きですもんね!」
「はい」
弥勒くんが優しく笑ってくれた。