【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第22章 Sweet Temptation
リビングに行くと、竜持くんもそこに居た。
どうやら、お絵描きアプリで遊んでいるみたいだ。
視界に飛び込んできた悠太くんの絵。
なんだろう?
人と花?髪の毛が少ないし靡いてて、性別の区別はつかないかも。
「何、怪獣?」
「小学生の絵かよ」
「ふふっ、面白い絵だね」
愛染さん、剛士くん、増長さんも驚いているようだ。
『つばさちゃんと花』らしい。
つばさちゃん?
帝人さんの計らいで、彼女には内緒にすることになった。
うん......これは胸の中にしまっておこう。
「リーダーとなまえさん。そうだ、二人にも描いてもらいましょう!」
「でも俺、手伝いが......みょうじさん戻ろう」
「えっ?」
「大丈夫です!少しだけです。さぁ!」
「えーっと......」
彼は何を描こうか悩んでいるようだ。
貴重だな。
みんなの絵なんて見れる機会ないもんね。
また、個性的な絵が出てきた。
タッチが斬新。
悠太画伯以上の作品だ......。
「まっすー、これ何......?」
画伯も困惑している。
髪が長いよね。
「女の子ですか?」
「えっと、ごめんね......みょうじさん」
私?
「リーダー?」
「和南は、なまえが嫌いなの?」
「カズ......僕もこれはどうかと思うよ」
みんな、戸惑ってるけど。
「ありがとうございます」
自分を描いてくれたことは嬉しいもんね。
「じゃあ、私も」
そのお返しに、ちびキャラな感じの増長さんを描いた。
「「うまい!!」」
「すごい!上手だね」
「ありがとうございます。小学二年生の時に描いたコオロギがものすごくリアルで......産毛もあって、両親にドン引きされた記憶があります」
「む、虫は嫌だ......」
愛染さんがすぐ反応してくれた。
「今度、描いてあげます!背中に、油性で」
「お、俺もなまえを描いてあげるよ。勿論、産まれたままの姿を。描き合おうね?」
愛染さんがどもるなんて貴重な姿だ。
「産まれたままの姿?」
「健十、ちょっと静かにしようか?」
「虫を捕まえて頭に乗せてあげますね!」
増長さんと帝人さん、二人の笑顔は引きつっているような。