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【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......

第13章 桜色に染まる


「大丈夫だよ。相手は知ってる人なんだから、ね?」

「はい、よろしくお願いします!」


確かに知らない人よりは良いと思う。

内容はどんな感じなのかな?
王子様じゃないって......ワイルド系とか?


でも、衣装は革ジャンじゃないし......。


「ふふっ、どうしたの?難しい顔してるね」

「ごめんなさい!」

「楽しい撮影にしようね!」


驚いたのは常識人代表の彼が意外と乗り気なことだ。
気のせいかもしれないけど......この場を楽しんでいるように見えなくもない。

「はい!頑張ります!」

でも......どうしてだろう?


「はーい、じゃあ始めようか!」


開始の合図が『死の宣告』のように聞こえるのは気のせいかな?

逃げ出したい!
今すぐ走り去りたい!


その思いも虚しくカメラマンさんから最初の指示が飛んだ。


「じゃあ膝の上に向かい合わせで座って、彼女は彼の首に手を回して抱きついてね」

「膝......座る......首......抱きつく!?」

最初の指示からーー

なんて......難易度が高いの!


増長さんは普段通りだ。
躊躇なくセットしてある椅子に座った。


「こっちに来て?」

そちらに近づけば軽々と抱き上げられて膝の上へ。


「このまま抱きついてもらってもいい?」

身体を引き寄せられてその距離はかなり近い。
心臓は壊れそうな程うるさい。


聞こえちゃうんじゃないかと心配になるくらいだ。


「緊張してるよね?でも似合ってるよ。すごく可愛い......」


やっぱり優しい。
ものすごく気遣ってくれてる。


「ありがとうございます。緊張してます......」

彼は本当なら初対面の人とこんな事するんだもんね?

それでも緊張しないんだから、相手が私なら全く緊張しないのも納得だな。


「はい、いいよー!そのまま額をくっつけてみようか?」


ひたい......?
さらに、近づくよね?

前に熱を測ったことはあるけど、あれは目的があるから。
目的がないのに額を合わせる機会なんてない。
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