【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第13章 桜色に染まる
それは少し前の雑誌の撮影の日のことだった。
Bプロの人気も上がってきて、街で名前をよく聞くようになった。本当に嬉しい。慌てて緩む口元を押さえた。最近の私は毎日『彼らのA&Rだ』と自慢したい気分だ。
そんな中、増長さんにザッツテレビジョンのお仕事が入ってきた。
「「おはようございます!」」
現場に入るといきなり大事件が起きた。
「ええっ、モデルの子と連絡が取れない......!?」
私の声がスタジオに響いたことは言うまでもないーー。
今回は『王子様と違う一面』というコンセプトで、女性モデルとの撮影になっていた。
撮影は......どうなっちゃうの?時刻は撮影開始時間の10分前だ。
「はぁー、どうしようかな......?」
カメラマンさんが大きなため息をついた。
この場合って撮影は無くなるのかな?
テーマを変えてとか......急には無理だよね?
撮影が無くなってしまえば来月号の特集自体どうなるの?
MooNsのメンバーもせっかく見に来てくれたのに......。
「うーん、始まるまでにどうにか連絡付かないのかなぁ!?」
「こればかりはギリギリまで待つしか方法がないよな」
「何か、何かいい方法はないでしょうか!」
「本当に、残念だな......」
「そうですよね......」
考えないと......!
でも相手がいないのにどうにもならないよね?
「一つだけ......思いつく方法があるんだけど......」
見れば増長さんは満面の笑みだ。
なにやら見つめられているような気がする。
「「それだ!!」」
「へっ?」
ヘアメイクに綺麗な桜色のドレス。
足が小さいので靴に詰め物をしてもらった。
モデルさんと比べたら......
かなりちんちくりんだよね?
剛士くん。
ちんちくりん発言に怒って......ごめんなさい。
彼らが思いついた方法は、
私が、モデルさんの代わりをすることだった。