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【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......

第87章 あなたの瞳に永遠を誓います......(最終話)


「あっという間でしたね......」

式の後は前日から泊まっていた部屋に戻っていた。
左手に輝く指輪があの時間が現実だったと教えてくれるけど。

「寂しい?」

部屋の窓についた私の手に大きな手が重なる。


「楽しかったから、少し寂しいかも......」

「どうすれば、寂しくなくなるの?」

抱きしめてくれる腕。私は彼の優しいところが好きだ。
いつも私を温かく包んでくれる。



「増長さんが側にいてくれるだけで、十分ですよ」

そちらを見上げて微笑むと、優しく口付けられた。


触れ方で愛を伝えるみたいに、いつも壊れ物に触れるみたいな指先
綺麗なのに大きい手も好き。


「ねぇ、君の名字はなんだっけ?」

澄んでいるのに少し特徴的な優しい声が、好き。


「えっと......ますなが?」

「そうだね。俺達は増長さんだから......」

「だから?」

鼻を掠める甘くて優しい香りが好き。

「ずっと側に居るから......俺の名前、呼んで?」

私しか知らない甘えるみたいな声色は、いつまでも聞いていたくて。


「えっと......か......かずな「可愛い!」

「きゃっ!」

ベッドに押し倒されると見上げた先には、無邪気な笑顔。
見てるこっちまで嬉しくなる。


「『なまえちゃん』より『なまえ』って呼ぶ方がドキドキするの?」

コロコロ表情が変わって、私を見下ろす顔はもう、大人の男の人。
いつも翻弄されるけど、こういう男らしい表情も好き。


「えっと......?」

「言ったよね?俺は計算高いから。一生逃がさないよ、なまえ」

「えっと、和南さん?」

「うーん、距離を感じるかも」

「和南くん?」

「うん......あと、敬語もやめて?」

愛しそうに......時に熱っぽく......私を見つめる瞳が大好きで......。



「もう一度、俺に誓って......生涯側に居るって......」

両頬に手を添えると、和南くんは驚いているみたい。



「私......ま......和南くんの目が好きなんで......好きなの!」


「ふふっ、早く慣れてね?でも......突然何の話?」


「初めて出会った時から『綺麗だな......』って」


しっかり目が合う。

今までのことが思い出されて、何だか泣けてきた。
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