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【R18】月夜に咲く華【BLEACH】

第9章 現世編(後編)



「か…ッ、かわいい!食パン一斤まる齧りしながらほっぺに食べかす付けて微笑むなんて、常人にはマネできない可愛さ!!流石私が惚れた女!いろんな意味でた・べ・ちゃ・い・た・い♡」

頬にパンの屑をつけながら笑顔で答える井上に、声を掛けた本匠は頬を赤らめ彼女に抱き着いた。そしてうっとりとした表情で顎を持ち上げ熱っぽい吐息を零す。

「コラぁ千鶴!!辞めんか昼間ッから!!あんたは大人しく女テニの部室で弁当でも食ってりゃいんでしょ!織姫をそっちの道にユウワクすんのはヤメなよね!」

「うるさいなぁ、あんたにゃカンケーないでしょ。」

すかさず止めに入った有沢と本匠は額同士をぶつけて至近距離で睨み合う。相も変わらず賑やかな教室から離れるのは少し残念な気がしたが、改造魂魄をそのままには出来ない。何より今一護達は虚退治に向かっている筈なのだ。それなら既に彼の肉体には改造魂魄が入っている可能性が高い。
一護とは全く異なる霊圧な為、探査するのも難しくどこから探そうかと頭を捻ったその時突然、井上が立ち上がった。

「え?なになに?」

「織姫?どうしたの?」

「ああッ!こらこら!パンツ見えるよ!」

窓を開け、片足を掛けて外に飛び出そうとする彼女に慌てて有沢が声を荒らげた。井上は窓の前でしゃがみ込むなり、窓枠の匂いを嗅ぐ。

「黒崎くんのにおいがした!」

「した!って、何言ってんの犬じゃあるまいし!第一ココ3階よ!匂いがしたとしてもこんなトコから一護が入ってくるワケ…」

「ここ…1年3組で合ってるよな?」

次の瞬間、突如窓の外に一護の姿が現れる。窓付近に居た有沢と井上は目を見開く。ここは確かに3階の筈だ。それなのにこの男は窓から飛び込んで来た。…時すでに遅しとはまさにこの事である。ゆうりはひっそりと頭を抱えた。

「ギニ゛ャ゛〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」

有沢の悲鳴が外まで響き渡る。教室に居た生徒達は何事かと其方に視線を向けた。有沢は井上を背中に庇い後退り、窓枠に立つ一護を指さす。

「あッ……あああんた!今どうやって上がって来たのよッ!?」

「どうやって…?今見てたろ。跳んで上がって来たんだよ。びっくりしたか?」

「…………!!」

「なあスゲーか?ビックリしたか?」
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