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【R18】月夜に咲く華【BLEACH】

第9章 現世編(後編)



「ぽっと出の若い子達に取られるのも癪ですからねぇ。こんな場所、そうそう見えないでしょう?」

「体育の時は髪結んでるよ!」

「あらら、それは悪い事しちゃいましたねぇ。」

思ってもない事を…!
そんな言葉が喉まで出かかった所で飲み込んだ。鬱血痕を付けられた箇所を摩り不満の色を滲ませた目で睨む。
ゆうりは深い溜息を吐き出し彼に体重を掛ける形で背中を預け、頭を捻り振り返って浦原と視線を合わせた。

「…ねぇ、私いつまで此処でこんなダラダラ過ごしてれば良いのかしら。」

「少なくとも今日一日は…」

「そうじゃなくて!…尸魂界に戻らなくて良いのかなって話し。」

「戻ってどうするつもりです?」

「大霊書回廊に行きたい。」

「それはまた、禁踏区域っスね。理由を聞いても?」

「どうやって真子達を虚化させたのかを知りたいの。」

真っ直ぐに向けられた瞳と言葉に浦原は言葉に詰まり表情を消した。被っている帽子を目元まで下げ目の前の少女から視線を背ける。ゆうりは直ぐにピンと来た。彼が帽子に触れる時、あまり詮索してほしくない…隠したい事がある時の言わば癖だ。

「…虚化させるって、斬魄刀や鬼道なんかで出来る事じゃないと思うの。という事はつまり何かしら"物"として存在してるんじゃないかと思って…どう、当たってる?」

「なんでボクに聞くんスか?」

「だって顔に知ってますよーって書いてあるもん。」

「……参ったなぁ。よくそこまで気付いたものだ。」

浦原は片手を後頭部へ運びガシガシと掻く。まさか、虚化させた"理由"ではなく"方法"に関して彼女が着眼すると思わなかった。
ゆうりは身体を反転させ両手を床に着き浦原の顔を覗き込む。その表情は好奇心に満ちている様にも見える。

「大霊書回廊には研究者の記録とかも有るんでしょ?そこからヒントを得られないかと思って。方法を知れば、作った理由に辿り着けるかもしれない。」

「とてもいい考えだと思いますよん。だけど、やっぱり尸魂界に行く事はオススメ出来ません。」

「どうして…?」

「バレた時のリスクが余りにも高い。特に、藍染達に見つかったら今度こそ生きては戻れない可能性も充分に有ります。」
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