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【R18】月夜に咲く華【BLEACH】

第9章 現世編(後編)



「何故霊圧を感じられぬのだ…義骸か…?それに、死んだ筈では…!」

「うん、今は霊圧遮断型の特殊な義骸を着ているの。…そっちで私は死んだ事になってるの?逃げたじゃなくて?」

「待て、動くな!私はまだ貴様が本物という確証が得られぬ!」

ルキアに1歩歩み寄ろうとすると彼女はそれを拒んだ。ゆうりはピタリと足を止める。尸魂界で己は既に亡き者とされてしまっているらしい。それなのにこんな場所で顔を合わせれば混乱もするだろう。
警戒心を顕にする彼女の誤解を如何にして解くか。悩んだ挙句、ポケットの中から義魂丸ケースを取り出したゆうりは、アヒルの頭をグッと押し込み嘴からポンっと出た小さな玉を飲み込んだ。途端、義骸から引き剥がされるようにして死神の姿をしたゆうりの姿と、馴染みのある霊圧にルキアは小さく唇を開く。

「…これで信じてもらえるかな。」

「あぁ…紛れもなく、ゆうりの霊圧だ…。」

ルキアは少しだけ泣きそうな顔をしながら、斬魄刀から手を引いた。それを見たゆうりは再び義骸を着込み彼女の目の前に立つと真っ黒な髪を撫でる。

「突然居なくなったりしてごめんね。」

「全くだ!辛かったのは私だけでは無い、浮竹隊長も、勿論日番谷隊長達も同じだった。何故このような場所に居るのだ。あの日何があった?」

「…先にルキア達が私の事をどう聞いているのか教えて貰っても良いかな。」

ルキアは頷くと己が聞いた事をゆうりへ伝えた。
元々事を聞いたのは隊長伝てだ。尸魂界内に現れた虚を討伐しに先に十番隊の隊士が向かい苦戦。応援に駆け付けたゆうりが先に来ていた隊士達3人を何故か惨殺。身体に残る傷跡が鋭い刃物によって付けられたものである事からそう判断されたらしい。
日番谷、松本が到着した頃には既にゆうりの姿は無く死神の死体と、その場から逃げたと思われる血痕が点々と残っていた。
その血液と1人の死神の斬魄刀に付着していた血液が同じものである事からゆうりと刺し違えたのだろうと判断したがそれも途中で途絶えており、出血の量からして生存は望めないという事で死亡とされた。
現れた虚の討伐が出来たのか、どうしてゆうりが同じ死神を殺したのか真相は全て謎に包まれたままであるようだ。
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