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【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第17章 壁外調査


「「兵長!」」

屋敷を出た途端にオルオとペトラがすっ飛んでくる。

「ユージーンさんから聞きました! 脳しんとうだって!」

ペトラの声が震えている。

「あぁ…。気付け薬が効かねぇし、起きるのを待つしかねぇ」

オルオが神妙な顔をしている。

「俺たちに何か手伝えることはありますか?」

「いや、大丈夫だ」

通りの向こうからミケが歩いてきた。それをちらりと見ながら。

「すまねぇが部屋の割り当ては本部で聞いてくれ。それから…」

屋敷に入ろうとするミケを呼び止める。

「ミケ、夜間の見張りだが」

立ち止まったミケを自然と見上げる形になる。

「俺の班のやつらを組みこんでおいてくれないか」

リヴァイを見下ろしながら、ミケは快く了承した。

「任せておけ」

「助かる」

そう言って目を伏せたリヴァイに、ミケは軽くうなずくと背を向け屋敷に入っていった。

「オルオ、ペトラ。見張りはお前らでペアを組め」

「了解です!」「……了解です」

嬉しそうなオルオに比べて、ペトラは若干不服そうだ。

「エルドとグンタにも部屋と見張りの件、伝えておけ」

「「わかりました!」」

二人は敬礼をすると、ミケのあとにつづいて屋敷へ入っていった。

それを見送ったリヴァイは、大人しく待っているオリオンのところへ。

ブルブルブル。

「待たせたな」

鼻をブブブと鳴らしながら甘えた様子のオリオンは嬉しそうだ。オリオンのそばに立っているアルテミスは、マヤを心配しているのか少し落ち着かない。

「アルテミス」

つぶらな瞳でまっすぐに、リヴァイを見つめてくる。

「……マヤは今、眠っている」

リヴァイは主に忠実な優しい馬の鼻先に、そっと手を添えながらささやいた。

「必ず目を覚ます。俺が責任を持ってそばにいるから…、待っててくれ」

アルテミスはリヴァイの手を嗅ぐと目を細め、ぺろりと舐めた。それはまるで “マヤをお願いしますよ” と言っているようだ。

「あぁ、今度は俺があいつを守るからな」

その言葉に満足そうに鼻を鳴らしたアルテミスとオリオンを連れて、リヴァイは馬繋場へ向かった。


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