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【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第17章 壁外調査


そのことに気づいた途端に、手に力が戻ってくる。

強く握られて身動きひとつできなかった左手の人さし指が、ぴくっと動いた。

はっと息をのむ気配がして、さらに強く握られる。

「マヤ!」

握られた手から伝わる、はやる心。

リヴァイ兵長、私の心も… この左手から伝わるかしら…。

一刻も早く目を開けて、兵長の顔が見たいです…。

ぴく…。

マヤのまぶたが痙攣する。

薄く… 薄く、まぶたがひらく。

かすかに見える白い顔。

かかっている黒い前髪で表情がよく見えない。

意識の覚醒とともにマヤは長いまつ毛を震わせながら、まぶたをひらいた。

ぼんやりとして焦点の合わなかった白い顔が、ゆっくりと鮮明になってくる。

……あぁ、やっと逢えた…。

なぜかそう強く感じて安堵する。

「……へい… ちょう…」

「気がついたか?」

「わた… し…、どうして…?」

「巨人の腕ごと落ちて意識を失っていたんだ」

……腕… ごと…?

あ… そうだ私、巨人に掴まれて食べられそうに…。

不思議なことに今の今まで、そのことを失念していた。

ただぼんやりして、金色の光の… あれ… なんだっけ…。

思い出せない、何か夢を見ていた気がするけど…。

確かなのはリヴァイ兵長の声が聞こえて、逢いたいと感じたことだけ。

……そうか…。私、助かったんだ…。

そう意識した瞬間に、巨人に掴まれていた感触がよみがえった。巨人の虚ろな目、大きくひらかれた口から見えた喉の奥の色。マヤは総毛立ち、再びぎゅっとまぶたを閉じた。

……怖い…!


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