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【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第17章 壁外調査


目を閉じれば、まぶたの裏に浮かび上がってきたのは…。

紅茶の茶葉を調合している父と、菓子を焼く母が肩を寄せ合い笑っている。

……お父さん… お母さん…。

これ… 聞いたことがある…。なんだっけ…。

いまわの際に大切な人が浮かんでくる… のは… 走馬灯のように… だっけ…。

……お父さん お母さん、ごめんなさい…。私、もう…。

「マヤ!!」「おい、マヤ!!」

そら耳かしら…?

ペトラとオルオの声が聞こえた気がした。

二人がじゃれ合っている様子がまぶたに浮かぶ。

ペトラ…、オルオ…。

友達になってくれてありがとう。いつまでも… 仲良くね…。

マヤが大切な友を想ったとき、異変を感じた。

………!

自身を掴んでいる巨人の指の力が、わずかに緩んだ気がする。

いよいよ口の中に放りこまれる、喉の奥に流しこまれる!

覚悟を決め、ぎゅぅぅぅっとまぶたを強くつぶった。

「マヤ!!!」

最期のそら耳は…。

どうして?

一番大切な人はあなただったの?

……リヴァイ兵長…!

その名を想った途端にザクッ!と近くで音がして身体は無重力を感じて落下した。

あぁ! 巨人の喉の奥に落ちていく!

そう思いながら遠くに聞こえた音は。

パシュッ!

キュルキュルキュルキュルキュルキュル、ザクッ!

この音は…?

薄れゆく意識の中で、マヤがかすかに見たものは宙を飛び巨人を斬りつけるリヴァイの姿。

……リヴァイ… 兵長…。

それが実際に自分の目で見たものか、まぶたの裏に浮かんだものなのかはわからないままマヤは完全に意識を手放した。


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