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【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第16章 前夜は月夜の図書室で


状況を理解したエルドは、くっくと笑った。

「本当だな。あれは… 俺らが告白してると噂してそうだな」

「笑い事じゃないですよ」

「すまん。だが実際は違うんだし、別にいいんじゃないか?」

「良くないです! エルドさんのこと好きな人に勘違いされたくないし、エルドさんにも迷惑かけたくないし…」

「別に迷惑じゃないけど、勘違いされて変な噂が立っても面倒かもな」

エルドはマヤが膝の上で握りしめている手に、一瞬そっとふれると優しくささやいた。

「じゃあ俺、部屋に帰るから。引き留めて悪かったな」

「いえ、全然! 私の方こそすみませんでした」

エルドがすっと立ち上がったので、マヤもそうする。

「明日、頑張ろうな。じゃあまた」

「はい。また必ずエルドさんとはお会いしたいです」

ぶはっとエルドは思わず笑う。

「おいマヤ、それ… 変!」

「そうですか…?」

「あぁ」

きょとんとしているマヤに、エルドは新鮮な驚きを感じていた。

「お前…、結構面白いやつだったんだな! 今度飲みに行こうぜ」

「へ?」

「ペトラとオルオも一緒にさ!」

慣れ親しんだ名前が出てきて、マヤの顔に笑みが広がった。

「はい!」

「じゃあな」

くるりと背を向け男子の居室棟に行くエルドに、深々と頭を下げた。

「お疲れ様でした!」





女子の居室棟の廊下の端から、中庭を覗いていたのは新兵の女子四人。

「エルドさん、行っちゃった…」

「ねぇ…、今のってやっぱマヤさんがエルドさんを?」

「逆もあるんじゃない?」

「いや~ それはないでしょ」

「そもそも別に告白じゃないって可能性もあり?」

「うーん、どうだろうね。雰囲気は結構いい感じだった気がするけど」

「ねぇ、そんなことよりリヴァイ兵長見た?」

「ううん」

「どこにいるんだろう…。さっき執務室に行ってみたんだけどいなかったし」

「え? 告白する気?」

「まだ決めてないけど…」

「え~! 頑張りなよ! 今から探そ?」

きゃあきゃあと騒ぎながら、新兵の女子たちはそこを離れた。


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