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stride‼︎

第6章 デート デイ


「うん!」
少し寒くなったロシアの夕焼けの街を日々人の家に向かって歩く。

「なんか、いいなぁ。
デートして、家、一緒に帰って。
ご飯作って一緒に食って寝てって、ずっと一緒にいれるのって。
ゆめは家なくて大変なときなのに不謹慎だけど、俺、今すげー幸せ、かも…。」
「うん、わたしも。
それにこんな悲惨なときなのに、深刻にならずに笑ってられるのは日々人がいてくれたからだよ。
本当に、ありがと。」
照れ臭くて、目を見て言えなかったけど、やっとちゃんとお礼が言えた。
夕日に照らされた日々人を見上げるとすっごく優しい顔をしていて手を繋ぎたくなったけど、いっぱいの荷物のせいで叶わなくいので、日々人に体がなるべくひっつくよう近づく。

家に帰って大急ぎでシチューを作って焼いたパンとサラダと一緒に食べる。
「はぁー、あったかい〜。生き返る〜。」
今日は暖かかったとはいえ、真冬なので夕方になるとすごく寒い

冷えた手や足の先が温かいシチューと部屋の暖房で溶かされていく。

食べ終わって片付けも2人で終えてソファに身を預けたら、一気に疲れが押し寄せる。
「ゆめ疲れた?しんどくなってない?」
日々人がサイドテーブルにコーヒーを持ってきてくれる。
「わっありがとう!
大丈夫。ちょっと疲れたけど日々人のコーヒー飲んだら元気になれそう。」
ニコッと笑って日々人がわたしの横に腰をおろす。
ヒョイっとわたしを抱えて日々人の足の間に下ろされ、ひゃあっと変な声が出てしまう。
逞しい腕がお腹に回されて後ろから抱きしめられる。肩に顎をのせて、日々人がほっぺをわたしのほっぺにひっつける。
日々人の顔が近くてわたしの顔が赤くなってしまう。

「ぷ。ゆめ顔真っ赤。
ゆめはすぐ赤くなるよね。」
日々人がからかってくるからわたしは余計に赤くなってしまう。
「だって日々人が近いから!!」
体をねじって逃げようとするけど敵わない。
「あはは。ごめんて。
でも、もうちょっと、このままいさせて。」
日々人が少し背を丸めて体が密着するように抱きしめる。
暖かい日々人の体温が心地良くて、体の力を抜いて日々人にもたれかかる。
お腹に回ってた手に指を絡めたらぎゅっと握りしめてくれる。
しばらくお互い無言でいると、ふと日々人が、
「前にもこんな事あったよね。」
と話し出す。







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