第114章 開花。
全中の決勝戦当日
私は結局、征君に会いに行くことができなかった・・・
私は征君との約束を破ってしまった
その後何度も何度も謝ろうとあの桜の木の下へ向かった
だけど・・・
そこに征君は現れてはくれなかった
私のこと嫌いになってしまったのかな
そりゃそうだよね
約束一つも守れないなんて・・・
征君に見放されたってしょうがないんだ
「・・・っ・・・征君・・・ごめん・・・ごめっ・・・・なさい・・・」
木の下で泣き崩れる私に会いにきたのは・・・・
虹村「あれ?赤司の女、また来てんのか。って、お前泣いてんのか?」
「泣いてません・・・・」
虹村さんと呼ばれていた人
虹村「赤司と何かあったのか?」
「いえ・・・何も・・・・」
虹村「じゃあ何で泣いてんだよ?」
「何も・・・何も無くて・・・っ・・・征君との約束っ・・・私が守らなかった・・・から・・・」
虹村「それで喧嘩したのか?ったく・・・赤司も意外と子供だな」
「私が悪いんですっ」
虹村「赤司には俺から言っといてやるから!だからもう泣くんじゃねーよ」
虹村さんは私を励ましてくれた
何だか不思議な人だ
この人が大丈夫だと言ってくれると、大丈夫だと思える
その安心できるような大きな手で、私の頭を撫でてくれた