第114章 開花。
楽しみにしていた征君の試合
だけど私は・・・
足早に会場に向かおうとする足を止めてしまった
神様はどうしてこんなにも・・・・
私に意地悪なんだろう
こちらに向かってくる足音は・・・
いつも私をイジメて楽しんでる人達の・・・
引き返そうと少し後退る
でも・・・・・
必ず行くって約束した
征君との約束を・・・・守りたい
だけどこのままじゃ・・・
私はその場を動く事が出来ずに立ち尽くしてしまった
足音はもうすぐそこ
私は覚悟を決めて、震える足を前に進めた
イジメられる怖さは大きい
だけどそれよりも征君に会いたい
その気持ちの方が強かった
だって私には・・・・征君だけだから・・・
「相田じゃぁん」
「今お前んとこ行こうといてたんだよ」
「へぇ~、今からデートですか」
「どうせ色目使ってんだろ」
ここを通らないと征君の元へは行けない
どうしよう・・・
「あの・・・今日は私本当に急いでて・・・そこ・・・・通してもらえませんか・・・」
「はぁ!?何言ってるか全然聞こえないんだけど」
「つか何?そのワンピ、完全に男受け狙ってんじゃん」
「そんなに男に気に入られたいんなら、私らがもっとお洒落してやるよ」
「いえ・・・大丈夫なので」
「何断ってんだよ」
「遠慮すんなよ~♪いっぱい可愛くしてあげる」
もしかしたら・・・・
そんなわずかな期待も虚しい
私は征君の元へ・・・・行くことができないかもしれない