第114章 開花。
「どうしたの?征君痛いよ・・・」
赤司「・・・お前は僕のモノだ」
-ゾクッ-
それは今までに感じた事のない恐怖
征君なのに征君じゃない
いつもの優しい彼とは違う
冷たく人を見放したような目つき
私を見ているようで違う何かを見ている
この時、私は以前言っていた征君の言葉を思い出した
―もし・・・俺が俺じゃないと思う時があれば・・・もうここには来ない方がいい―
あの時私は・・・征君はずっと征君でしょ?何て簡単に言ってしまったけど・・・そんな簡単な問題じゃないのかもしれない
「私は・・・征君のモノだよ?」
赤司「お前が思っている赤司征十郎と僕は違う」
「え?」
征君は突然何を言っているんだろうと思った
だけど・・・
私が思っている征君とは違う
その言葉は妙にしっくりくる
だって目の前に居る征君は・・・私の知っている征君じゃない
じゃあ私の知ってる征君は・・・・どこ?