第114章 開花。
桜の季節
私と征君との関係は変わること無く続いていた
征君は相変わらず優しかった
私は益々好きになっていった
征君の重荷になりたくないのに、征君に会いたかった
毎日・・・
毎日・・・・
日に日に不安は大きくなった
バスケ部のマネージャーで征君を好きな子がいるんじゃないか
そもそも学校での征君を知らない
征君に好きだとも言われてない
私たちの関係って何?
そんなこと・・・重くて聞けない
開けている本の内容が全然頭に入ってこない
私は目を閉じて耳を澄ませた
体育館から聞こえてくるバスケットの練習音
ドリブルの音
バッシュのスティール音
シュートが決まったときのネットに擦れる音
リバウンドでゴールから跳ね返った音
皆で出し合う声
ここは征君の居場所
私の居場所じゃない
だけど・・・・
好きなの
そして近づく
彼の足音
赤司「」
征君は私に笑顔を向け
私も応えるように笑顔を向ける
征君のこの笑顔に・・・・
私の心はどれほど救われているか
赤司「今日は何の本を読んでいるんだ?」
「今日はねぇ・・・・ん?」
征君は突然私の髪に触れた
赤司「花びらがついてるよ」
「あっ、ありがとう・・・」
近い距離に、私の胸はドキドキと大きく揺れていた
桜の花びらが舞う季節
私の目の前には征君の優しい笑顔