第114章 開花。
そしてテツ君は、征君が変わってしまった時の話をしてくれた
「ただ元から僕は二人いて、それが入れ替わっただけだ」
そう言った赤司君の顔が、目に浮かんだ
赤司君はチームが変わったから自分も変わったのだとテツ君に伝えた
テツ君は高校に入るまでの全てを話してくれた
荻原君に酷い事をしてしまったこと
彼がバスケをやめて転校してしまったこと
テツ君がバスケを嫌いになったこと
全ての話を聞いて・・・
胸が苦しかった
テツ君だけじゃない
大輝も、敦も、真太郎も、涼太も、虹村さんも、荻原君も、そして征君も・・・・
皆それぞれが思い、悩み、迷い、苦しみ・・・・
そして崩れてしまった
「ごめんテツ君・・・・」
黒子「え?」
「知ってたんだ・・・征君が二人いることも・・・征君が悩んでたことも・・・・わかってたのに・・・・」
黒子「さん?」
「見捨てたの・・・・私が征君を見捨ててしまったの!私が・・・逃げ出したの・・・・」
私があの時ちゃんと彼の話を聞いていれば・・・
私があの時あんなに負担をかけなければ・・・
私があの時逃げなければ・・・
もしかしたら征君は戻ってきてたのかもしれない