第5章 うなれ体育祭
2回戦最終試合、爆豪君VS切島君は爆豪君が勝利し、私との対戦を迎える。ついにベスト4が出揃った。飯田君と轟君、そして私と爆豪君。自分を落ち着かせる為に控え室へ早めに行こうと足を進めていた、のだけど。
「爆豪君...。」
視線の先に立つ爆豪君、彼もまた控え室へ向かうのか、または観覧席に行って轟君の試合を見るのだろうか。彼も、私を全く警戒した様子なんて見せなかった。最初から緑谷君と轟君ばかりに敵対心を向けていた節もある。私の能力を買ってくれているところもあるけど、それは彼の予選突破の策でしかない。
ダメだ、ダメだ。こんな所で自信を失ってどうする。
「爆豪君、次対戦だね。」
「あ?見りゃわかんだろ。」
「私ね、爆豪君に憧れてる、尊敬してるの。戦闘能力も高いしその戦いに応じたセンスもあるし頭の回転も速い。私自身でも気付けないような弱点を爆豪君は見つけるかもしれない。」
「...何が言いたい。」
「憧れは憧れのままで終わらせない。貴方がオールマイトを超えようとするように私もオールマイトを超える№1ヒーローになりたい。憧れを超える、私は貴方に勝って轟君にも勝つ!最初から全力で行かせてもらうわ。」
「はっ!勝手にしろ。俺は誰にも負けるつもりなんざねェ。俺を超えるだなんて一生できねぇ。お前が俺を追いかけてる間も俺は先に進み続けてやる。」
目の前に立ちはだかる大きな壁はそう簡単には攻略させてはくれないようだ。