第5章 うなれ体育祭
飯田君VS轟君は轟君が左を使わずに勝利。決勝進出を決めた。三度と、表舞台に戻ってきた。
「こちらも注目カード!圧倒的力を見せる爆豪と、個性の可能性無限大!?紅一点原操!」
マイク先生の紹介を受け、観客席から大きな歓声があがる。やっぱりこの舞台は本当に最高だ。
「準決勝第2試合、スタート!!」
だからこそ、ここで本気を出すほかに無い。
「行くよ、爆豪君!!」
スタートと共に、また会場のコンクリートを爆豪君に差し向ける。丁寧に破壊してくれてるところを距離を詰める。爆豪君もお茶子みたいに私に触られることを警戒してる。もっと、彼を動かさなければいけない。今度は一塊のままでなく少しだけ分けて投げつける。そしたら切島君のときみたいな連打を出してくれるでしょ?
「ちょこまかとウゼェ!まとめて来いや!」
期待通りに連打を打つ必死に打つ頭上に回りこむ。そして彼が持ち前の反射神経で振り向いたとき。私の手に彼の汗が触れる。
「爆破(エスプロジオ)!」
彼の汗、ニトロの成分を利用させてもらって彼の頭上から爆発をモロに入れた、そう思ったのに。咄嗟に同じような爆発で相殺され、互いに場外ギリギリまで吹き飛んだ。
「相変わらずの恐ろしい反射神経ね。」
「真に恐ろしいのはどっちだよ。」
互いに相手を見据えた目を逸らさない。反射神経どころか咄嗟の判断力も何もかもが天才的だ。まだ、一歩追いつけない。でも、諦めるには随分と早い。
「止まってるって事は撃って来いって事か?おいおいおい、随分余裕だなァ!」
爆豪君は私に考える暇さえも与えてはくれない。爆豪君あんまりせっかちだったらいい事ないよ!!心の中で文句言いながらも次に距離を詰める方法を考える。でも今彼は真正面から来てくれる。
「正面突破には正面突破で迎え撃つ!」